Claude Code × Computer Use実践ガイド——AIがMacを直接操作する新機能を試す
2026年3月24日に発表されたClaude CodeのComputer Use機能を徹底解説。macOS上でClaude がアプリ起動・ブラウザ操作・ファイル管理を自律的に実行する仕組み、安全機能、活用パターンまで実践的に紹介します。

はじめに
Claude Codeを使って開発していると、「ターミナルの外」で作業が必要になる場面に出くわすことがあります。
| 状況 | 困りごと |
|---|---|
| ブラウザで動作確認 | CLIからWebアプリの表示を確認できない |
| Figmaデザインを実装 | デザインファイルとコードを行き来する手間 |
| スプレッドシートの更新 | コードの実行結果を手動でシートに入力 |
こうした「GUI操作が必要な場面」では、結局人間が手を動かすしかありませんでした。しかし、2026年3月24日にAnthropicが発表したComputer Use機能により、Claude CodeがmacOS上のアプリケーションを直接操作できるようになりました。
この記事を読み終わると、以下のことができるようになります。
- Computer Useの仕組みと対応範囲を理解できる
- macOSでComputer Useを有効にできる
- 安全に活用するためのベストプラクティスを実践できる
- CLIツールとの使い分けを判断できる
Computer Useとは
Computer Useは、2026年3月24日にAnthropicが研究プレビューとして発表した新機能です。Claude CodeがmacOS上のGUIアプリケーションを直接操作できるようにするもので、従来のCLI操作の枠を超えた自律的なタスク実行を可能にします。
何ができるのか
- アプリの起動・切り替え: Finder、Safari、VS Codeなど任意のアプリケーションを開く
- Webブラウザの操作: ページ遷移、フォーム入力、ボタンクリック
- ファイルの開閉・編集: GUIベースのファイル操作
- 開発ツールの操作: Figma、Postman、データベースGUIクライアントなど
対象ユーザー
Computer UseはClaude ProまたはClaude Maxサブスクライバーが利用でき、現時点ではmacOSのみの対応です。
従来のCLIツールとの違い
従来のClaude Codeは、Bash、Read、Write、EditといったCLIベースのツールでファイル操作やコマンド実行を行っていました。Computer Useはこれらを置き換えるものではなく、GUIが必要な領域を補完する拡張機能として位置づけられています。
セットアップ方法
Computer Useを有効にするには、macOSのアクセシビリティ権限の設定が必要です。
ステップ1:Claude Codeのアップデート
まずClaude Codeを最新バージョンに更新します。
# Claude Codeを最新版に更新
brew upgrade claude-code
# またはnpm経由の場合
npm update -g @anthropic-ai/claude-code
ステップ2:アクセシビリティ権限の付与
macOSの「システム設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「アクセシビリティ」から、Claude Codeに権限を付与します。
# 権限が正しく設定されているか確認
claude --computer-use-status
ステップ3:Computer Useの有効化
Claude Codeのセッション内で、Computer Useを有効にします。
# Computer Useを有効にしてセッションを開始
claude --with-computer-use
有効化されると、Claudeはターミナル操作に加えてGUI操作が可能になります。
安全機能
Computer UseはAIがデスクトップを操作するという性質上、安全性への配慮が非常に重要です。Anthropicは以下の安全機能を組み込んでいます。
ユーザー許可の要求
Computer Useのすべてのアクションは、実行前にユーザーの明示的な許可を求めます。たとえば「Safariを開いてURLにアクセスします。実行しますか?」といった確認プロンプトが表示され、ユーザーが承認しなければ操作は実行されません。
サポートされたサービスへの接続
Google Workspace、Slackなど、Anthropicがサポートしているサービスへの接続が優先されます。これにより、既知のサービスに対しては安定した動作が期待できます。
機密情報の取り扱い
Anthropicは、機密情報(パスワード、APIキー、個人情報など)の操作にはComputer Useを使用しないことを推奨しています。画面のスクリーンショットがモデルに送信される仕組み上、機密データが含まれる画面の操作は避けるべきです。
研究プレビューとしての位置づけ
現在は研究プレビュー段階であり、ユーザーからのフィードバックをもとに継続的に改善が行われています。本番環境での重要なオペレーションには、十分な検証を行ったうえで導入することをおすすめします。
活用パターン
ここでは、Web系エンジニアにとって特に有用な活用パターンを紹介します。
1. Webアプリのビジュアルテスト
開発中のWebアプリケーションをブラウザで開き、UIの見た目を確認するタスクを自動化できます。
> ローカルの開発サーバー(localhost:3000)をブラウザで開いて、
トップページのスクリーンショットを撮ってください。
レスポンシブ表示も確認したいので、375pxと1280pxの両方でお願いします。
ClaudeがSafariやChromeを起動し、指定されたURLにアクセスしてスクリーンショットを取得します。CypressやPlaywrightを書くまでもない、ちょっとした目視確認に便利です。
2. ドキュメント作成
スプレッドシートやプレゼンテーションの自動作成も可能です。
> Google Sheetsを開いて、以下のAPIレスポンスデータを
表形式で入力してください。
[{"name": "Alice", "score": 95}, {"name": "Bob", "score": 87}]
3. 開発フローの一気通貫
Figmaでデザインを確認し、コードを生成し、ブラウザでプレビューするまでの一連のフローをClaudeに任せることができます。
> Figmaでヘッダーコンポーネントのデザインを確認し、
それに合わせてsrc/components/Header.tsxを実装してください。
実装後、localhost:3000で表示を確認してスクリーンショットを見せてください。
4. データ入力の自動化
APIのレスポンスやログの内容を、GUIベースの管理画面に入力するタスクにも活用できます。CLIでは操作できない社内ツールへのデータ投入などに有効です。
CLIツールとの使い分け
Computer Useは万能ではありません。従来のCLIツールが得意な領域と、Computer Useが活きる領域を理解して使い分けることが重要です。
| タスク | CLI(従来) | Computer Use |
|---|---|---|
| ファイル編集 | ✅ 高速・正確 | △ GUIで遅い |
| Git操作 | ✅ Bash経由 | × 不要 |
| ブラウザ操作 | × 不可 | ✅ 可能 |
| アプリ操作 | × 不可 | ✅ 可能 |
| バッチ処理 | ✅ 得意 | × 不向き |
基本方針: CLI操作が可能な作業は従来通りCLIを使い、GUI操作が必要な場面でComputer Useを併用するのがベストです。
たとえば、コードの編集はEditツールで行い、編集結果のブラウザ確認だけComputer Useに任せる——といった組み合わせが効率的です。
// 実装はCLIツールで高速に行い...
export const Header: FC<HeaderProps> = ({ title, navigation }) => {
return (
<header className="sticky top-0 z-50 bg-white shadow-sm">
<nav className="mx-auto max-w-7xl px-4">
<h1 className="text-xl font-bold">{title}</h1>
{/* ... */}
</nav>
</header>
);
};
// ...ブラウザでの表示確認はComputer Useで自動化
制限事項と注意点
Computer Useを導入する前に、以下の制限事項を把握しておきましょう。
- macOSのみ対応: Windows、Linuxには現時点で対応していません
- Pro / Maxプランが必要: 無料プランでは利用できません
- 研究プレビュー段階: 機能の仕様が今後変更される可能性があります
- 機密情報の操作は避ける: 画面キャプチャがモデルに送信されるため、パスワードやシークレットが表示される画面での使用は推奨されません
- アクセシビリティ権限が必要: macOSのシステム設定で権限を付与する必要があります
- 操作速度: GUI操作はCLI操作と比較して時間がかかります。高速なバッチ処理には不向きです
まとめ
Computer Useは、Claude Codeの活動範囲を「ターミナルの中」から「デスクトップ全体」へと拡張する画期的な機能です。CLIツールを置き換えるものではなく、GUI操作が必要な場面を補完するものとして位置づけられています。
今後、Windows/Linuxへの対応拡大や、操作精度の向上、対応サービスの追加が期待されます。研究プレビューの段階ではありますが、開発ワークフローの可能性を大きく広げる機能であることは間違いありません。
次のアクションとして、以下を試してみてください。
- Claude Codeを最新バージョンに更新する
- macOSのアクセシビリティ権限を設定する
- 簡単なブラウザ操作タスクでComputer Useを体験する
- 自身の開発フローで「GUI操作が必要な場面」を洗い出す
CLIの高速さとComputer UseのGUI操作を組み合わせることで、開発体験がさらに向上するはずです。