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Claude Cowork × MCP連携実践ガイド——Google Drive・Slack・Notionを繋いで業務フローを丸ごと自動化

Claude CoworkとMCP(Model Context Protocol)を組み合わせれば、Google DriveやSlack、Notionなど外部サービスと接続して業務フローを一気通貫で自動化できます。架空の受託開発チームを題材に、設定から実践までをハンズオン形式で解説します。

2026年2月16日
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Claude Cowork × MCP連携実践ガイド——Google Drive・Slack・Notionを繋いで業務フローを丸ごと自動化

はじめに

前回の記事で、Claude Coworkの概要と「AIエージェントが同僚になる」というコンセプトを紹介しました。

しかし、実際に使ってみると気づくことがあります。

「フォルダ内のファイル操作だけだと、業務フロー全体は自動化できない」

たとえば、こんなケースです。

1. Google Driveに格納された議事録を読み取る
2. 要点を整理してNotionのタスクボードに起票する
3. 完了したらSlackで関係者に通知する

これをClaude Cowork単体でやろうとすると、途中でブラウザを開いてコピペして……と手作業が挟まります。

ここで登場するのが**MCP(Model Context Protocol)**です。MCPコネクタを使えば、Claude Coworkから直接Google Drive、Slack、Notionなどの外部サービスにアクセスできるようになります。

この記事を読み終わると、以下ができるようになります:

  • Claude CoworkにMCPサーバーを接続する方法がわかる
  • Google Drive → Notion → Slackを横断する業務フローを自動化できる
  • 自分のチームに合ったMCP連携パターンを設計できる

Claude Cowork × MCPの全体像

MCPとは何か

MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリケーションと外部データソースを接続するためのオープンプロトコルです。Anthropicが提唱し、現在は多くのサービスが対応しています。

ポイントは、Claude Coworkがローカルファイルと外部サービスの両方をシームレスに操作できること。「Google Driveのファイルを読んで、ローカルで加工して、結果をNotionに書き込む」といった横断的な処理が自然言語の指示だけで実現します。

Claude Code MCPとの違い

Claude CodeのMCP設定に馴染みがある方は、「Coworkでも同じように使えるの?」と思うかもしれません。

項目Claude CodeClaude Cowork
設定ファイル.claude/settings.jsonClaude Desktop設定画面
対象ユーザーエンジニア全社員
MCPサーバー起動CLIから手動アプリが自動管理
主な用途開発ワークフロー業務ワークフロー

設定方法は異なりますが、MCPサーバー自体は共通のものが使えます。

事前準備

必要なもの

項目詳細
Claude DesktopアプリmacOS版またはWindows版(2026年2月11日〜)
サブスクリプションClaude Pro($20/月)以上。Maxプラン推奨
Node.jsv18以上(MCPサーバーの実行に必要)
各サービスのアカウントGoogle Workspace、Slack、Notionなど

MCPサーバーの設定方法

Claude Desktopの設定ファイルにMCPサーバーを追加します。

macOSの場合:

# 設定ファイルの場所
~/Library/Application Support/Claude/claude_desktop_config.json

Windowsの場合:

# 設定ファイルの場所
%APPDATA%\Claude\claude_desktop_config.json

ハンズオン 1: Google Drive MCPサーバーを接続する

まずは最もニーズの高いGoogle Drive連携から始めます。

Step 1: Google Drive MCPサーバーのインストール

npm install -g @anthropic/mcp-server-gdrive

Step 2: Google Cloud Consoleで認証情報を取得

  1. Google Cloud Console にアクセス
  2. 新規プロジェクトを作成(例:claude-cowork-mcp
  3. Google Drive APIを有効化
  4. OAuth 2.0クライアントIDを作成(デスクトップアプリケーション)
  5. credentials.json をダウンロード

Step 3: 設定ファイルに追加

claude_desktop_config.json を編集します。

{
  "mcpServers": {
    "gdrive": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@anthropic/mcp-server-gdrive"],
      "env": {
        "GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS": "/path/to/credentials.json"
      }
    }
  }
}

Step 4: 動作確認

Claude Desktopを再起動し、Coworkモードで以下のように指示します。

Google Driveの「2026年2月」フォルダにあるファイル一覧を見せて

ファイル一覧が返ってくれば接続成功です。

できるようになること

操作指示例
ファイル検索「先週作成された議事録を探して」
ファイル読み取り「この提案書の要点を3つにまとめて」
ファイル作成「打ち合わせメモからレポートを作成してDriveに保存して」
ファイル整理「未分類フォルダのファイルを内容に基づいて振り分けて」

ハンズオン 2: Slack MCPサーバーを追加する

Google Driveの次は、チームコミュニケーションの要であるSlackを接続します。

Step 1: Slack Appの作成

  1. Slack API にアクセス
  2. 「Create New App」→「From scratch」を選択
  3. 必要なスコープを追加:
channels:read
channels:history
chat:write
users:read
  1. Bot User OAuth Tokenを取得(xoxb- で始まるトークン)

Step 2: 設定ファイルに追加

{
  "mcpServers": {
    "gdrive": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@anthropic/mcp-server-gdrive"],
      "env": {
        "GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS": "/path/to/credentials.json"
      }
    },
    "slack": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@anthropic/mcp-server-slack"],
      "env": {
        "SLACK_BOT_TOKEN": "xoxb-your-token-here"
      }
    }
  }
}

Step 3: 動作確認

#general チャンネルの最新メッセージを5件見せて

これでSlackの読み書きがClaude Coworkから可能になりました。

ハンズオン 3: 3サービスを横断する業務フロー自動化

ここからが本題です。Google DriveとSlackに加え、Notionも接続して、実際の業務フローを丸ごと自動化してみます。

シナリオ:受託開発チーム「TeamDev」の週次レビュー

架空の受託開発チーム「TeamDev」を想定します。毎週月曜日に行っている週次レビューの業務フローを自動化します。

現状の手作業フロー:

所要時間:約45分(議事録が3件、タスクが10件の場合)

Notion MCPサーバーの追加

{
  "mcpServers": {
    "gdrive": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@anthropic/mcp-server-gdrive"],
      "env": {
        "GOOGLE_APPLICATION_CREDENTIALS": "/path/to/credentials.json"
      }
    },
    "slack": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@anthropic/mcp-server-slack"],
      "env": {
        "SLACK_BOT_TOKEN": "xoxb-your-token-here"
      }
    },
    "notion": {
      "command": "npx",
      "args": ["-y", "@anthropic/mcp-server-notion"],
      "env": {
        "NOTION_API_KEY": "ntn_your-api-key-here"
      }
    }
  }
}

自動化の実行

Claude Coworkに以下のように指示します。

以下の手順で週次レビューを処理してください。

1. Google Driveの「TeamDev/議事録/2026年2月」フォルダにある
   今週の議事録(2/10〜2/14)をすべて読み取る

2. 各議事録から以下を抽出する:
   - 決定事項
   - 未解決の課題
   - 来週までのアクションアイテム

3. アクションアイテムをNotionの「開発タスク」データベースに起票する
   - タイトル: アクションアイテムの内容
   - ステータス: 「未着手」
   - 担当者: 議事録に記載がある場合は設定
   - 期限: 来週金曜日

4. 処理結果を以下の形式で #dev-team チャンネルに投稿する:
   ---
   📋 週次レビューまとめ(2/10〜2/14)

   【決定事項】
   - (箇条書き)

   【未解決の課題】
   - (箇条書き)

   【起票したタスク】
   - (Notionリンク付きで一覧)
   ---

自動化後のフロー:

所要時間:約3分(指示を書く時間のみ)

実行結果のイメージ

Slackに投稿される内容の例:

📋 週次レビューまとめ(2/10〜2/14)

【決定事項】
- 検索機能のUIはタブ切り替え方式で実装する
- ステージング環境のデプロイは毎日17時に自動実行する
- APIレスポンスのキャッシュ時間を5分→15分に延長する

【未解決の課題】
- モバイル版のパフォーマンス最適化(計測方法を次回議論)
- 外部APIの認証トークン更新タイミング

【起票したタスク】(6件)
- 検索UIのタブコンポーネント実装 → @田中
- ステージング自動デプロイのGitHub Actions設定 → @佐藤
- APIキャッシュ設定の変更 → @鈴木
- モバイルパフォーマンス計測ツール選定 → @田中
- 外部API認証トークンのリフレッシュ実装 → @佐藤
- 来週の週次レビューアジェンダ作成 → @鈴木

実践パターン集:チームで使える業務フロー5選

ハンズオンで基本を押さえたところで、実務でよく使うパターンを紹介します。

パターン1: 日報の自動集約

指示例:

Slackの #daily-report チャンネルから今週(2/10〜2/14)の投稿を取得し、
メンバーごとの進捗をGoogle Driveの「週次サマリー」スプレッドシートに追記してください。
また、全体のサマリーを #management チャンネルに投稿してください。

パターン2: 顧客からの問い合わせ整理

パターン3: 競合調査レポート

1. Google Driveの「競合情報」フォルダにあるメモを全て読み取る
2. 競合ごとに情報を整理する
3. Notionの「競合分析」データベースを最新の情報で更新する
4. 変更点のサマリーを #product チャンネルに投稿する

パターン4: 請求書の処理フロー

パターン5: 採用候補者の情報整理

1. Google Driveの「採用/応募書類」フォルダから今週の応募書類を読み取る
2. 候補者ごとにスキル・経験年数・希望条件を抽出する
3. Notionの「採用パイプライン」にカードとして追加する
4. #hiring チャンネルに新規候補者のサマリーを投稿する

フォルダ固有の指示で精度を上げる

Claude Coworkには**フォルダ固有の指示(Folder-specific instructions)**を設定する機能があります。MCPと組み合わせると、フォルダに入れるだけで自動処理が走る仕組みが作れます。

設定方法

Coworkの設定画面で、フォルダごとに指示を登録します。

フォルダ: ~/Documents/議事録-受信
指示:
このフォルダに新しいファイルが追加されたら、以下を実行してください:
1. 議事録の内容を読み取る
2. アクションアイテムをNotionの「タスク」データベースに起票する
3. 起票結果を #task-updates チャンネルに通知する

グローバル指示との使い分け

指示タイプ用途
グローバル指示全タスク共通のルール「日本語で応答する」「ファイル削除前に確認する」
フォルダ固有の指示特定業務の自動化ルール「議事録から自動起票」「請求書の自動整理」

セキュリティとガバナンス

MCPで外部サービスに接続するということは、Claude Coworkがチームのデータにアクセスできるということです。導入前に以下を確認してください。

アクセス権限の最小化

✅ やるべきこと
- Google Driveは特定フォルダのみ共有する
- Slackは必要なチャンネルのみスコープに含める
- Notionは特定のデータベースのみアクセスを許可する

❌ やってはいけないこと
- ドライブ全体への読み書き権限を付与する
- Slackの管理者権限でBotを作成する
- 個人情報を含むデータベースを接続する

チーム導入時のガイドライン

項目推奨設定
MCPサーバーの管理IT管理者が設定ファイルを一元管理
アクセスログ定期的にAPI利用状況を確認
機密情報人事・給与データは接続対象外
破壊的操作ファイル削除・上書きは確認ステップを設ける

プラグインとの違い

2026年1月30日にリリースされたCoworkプラグイン(営業支援、法務コンプライアンスなど11種類)と、MCPサーバーは何が違うのでしょうか。

項目MCPサーバーCoworkプラグイン
粒度サービス単位の接続(Slack、Driveなど)業務シナリオ単位(営業支援、法務など)
カスタマイズ性高い(自由に指示を組み合わせ)低い(テンプレート型)
導入難易度中(API設定が必要)低(ワンクリック)
対象ユーザーエンジニア・IT管理者全社員

使い分けの指針: まずプラグインで要件を満たせるか確認し、カスタマイズが必要な場合にMCPサーバーを構築する、というアプローチがおすすめです。

Tips: よくあるトラブルと対処法

MCPサーバーが接続できない

# Node.jsのバージョンを確認
node -v
# v18以上が必要

# MCPサーバーを手動で起動してエラーを確認
npx -y @anthropic/mcp-server-gdrive

Claude Desktopの再起動で解決することも多いです。

Google DriveのOAuth認証が切れる

アクセストークンは一定期間で失効します。再認証が求められた場合は、credentials.json の配置場所を確認してから再度認証フローを実行してください。

Slackへの投稿が失敗する

❌ チャンネルにBotが招待されていない
→ Slackでチャンネルを開き、/invite @your-bot-name を実行

❌ スコープ不足
→ Slack APIの設定画面でchat:writeスコープを追加し、再インストール

Proプランで制限に引っかかる

MCPを使った複合タスクはトークン消費が大きいため、Proプラン($20/月)だと制限に達しやすいです。業務で日常的に使う場合は**Maxプラン($100/月)**を推奨します。

まとめ

Claude Cowork × MCPの組み合わせにより、Google Drive・Slack・Notionなど複数サービスを横断する業務フローを自然言語だけで自動化できるようになりました。

ポイント内容
MCPとはAIと外部サービスを接続するオープンプロトコル
接続できるサービスGoogle Drive、Slack、Notion、GitHubなど多数
最大の価値サービス横断のワークフローを自然言語で実行
導入の注意点アクセス権限の最小化、機密情報の除外

次のアクションとしておすすめ:

  1. まずGoogle Drive MCPだけ接続してみる — 最も導入ハードルが低い
  2. 小さな業務から試す — 「議事録の要約」「ファイルの整理」から始める
  3. チームに展開する前にガイドラインを整備 — セキュリティ面の合意を先に取る
  4. プラグインも併用する — 定型業務はプラグイン、カスタム業務はMCPと使い分ける

「AIが同僚になる」だけでなく、チームの業務ツールを全て理解した同僚になる——それがClaude Cowork × MCPの可能性です。


参考リンク:


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