Cursor 2.5時代の「エージェント型エディタ」完全ガイド——Claude Codeとの使い分け戦略
Cursor 2.5のPlugin Marketplace・非同期サブエージェント・SKILL.mdなど最新機能を解説し、Claude Codeとの機能比較・場面別の使い分け戦略を実践的に紹介します。

はじめに
2026年に入り、AIコーディングツールの進化が止まりません。特にCursorは2024年のリリース以来急速に成長し、2026年2月17日にリリースされたCursor 2.5で「コードエディタ」から「エージェントワークベンチ」へと完全に進化しました。
一方、CLIベースのClaude Codeも同様にSkills・サブエージェント・MCP連携を備え、独自の進化を遂げています。
「結局、CursorとClaude Codeはどう使い分ければいいの?」——多くのエンジニアが抱えるこの疑問に、両方を実務で使い込んでいる立場から答えます。
この記事を読み終わったら、以下ができるようになります。
- Cursor 2.5の主要な新機能を理解する
- CursorとClaude Codeの機能差を正確に把握する
- プロジェクトの特性に応じてツールを使い分けられる
- 両ツールのSKILL.mdを実際に書いて活用できる
Cursor 2.5 の注目アップデート
まず、2026年1〜2月にリリースされたCursorの主要アップデートを時系列で整理します。
| バージョン | リリース日 | 主要機能 |
|---|---|---|
| CLI | 1月8日 | モデル選択、ルール管理、MCP ON/OFF |
| CLI | 1月16日 | Plan mode、Ask mode、Cloud handoff |
| 2.4 | 1月22日 | サブエージェント、Skills/SKILL.md、画像生成、Cursor Blame |
| - | 2月12日 | Long-running Agents(大規模PR自律実行) |
| 2.5 | 2月17日 | Plugins(Marketplace)、Sandbox Access Controls、非同期サブエージェント |
Plugin Marketplace
Cursor 2.5最大の目玉はPlugin Marketplaceです。Skills・サブエージェント・MCPサーバー・Hooks・Rulesを1つのパッケージとして配布できるようになりました。
これにより「Firebase専用プラグイン」「Next.js App Router専用プラグイン」のような形で、チーム内のベストプラクティスをパッケージ化して共有できます。
非同期サブエージェント
従来のサブエージェントは同期的に動作し、親エージェントは子タスクの完了を待つ必要がありました。Cursor 2.5では非同期サブエージェントが導入され、親エージェントが止まらずに次の作業を継続できます。
さらに、サブエージェントがさらにサブエージェントを生成できる階層構造もサポートされました。
Sandbox Access Controls
エージェントが外部ネットワークにアクセスする際の権限を細かく制御できるようになりました。
// .cursor/sandbox.json の設定例
{
"network": {
"allowlist": [
"*.googleapis.com",
"registry.npmjs.org",
"api.github.com"
],
"denylist": [
"*.internal.company.com"
]
}
}
本番環境のAPIに誤ってアクセスするリスクを防げるため、エンタープライズ環境での導入障壁が大きく下がりました。
Cursor Blame(Enterprise)
AIが生成したコードと人間が書いたコードを区別するCursor Blameも注目機能です。
- Tab補完で生成されたコード
- エージェントが生成したコード(使用モデルも記録)
- 人間が手動で書いたコード
これらを明確に区別でき、「このバグはどのモデルが生成したコードに起因するか」をトレースできます。
Cursor vs Claude Code 機能比較表
両ツールの最新機能を網羅的に比較します。
| 機能 | Cursor 2.5 | Claude Code |
|---|---|---|
| UI | GUI(VS Code拡張) | CLI(ターミナル) |
| 独自モデル | Composer 1.5 | なし(Claude API直接) |
| 外部モデル | Claude, GPT, Gemini等 | Claude のみ |
| Skills / SKILL.md | ✅ | ✅ |
| サブエージェント | ✅(非同期対応) | ✅(Task tool) |
| MCP連携 | ✅ | ✅ |
| Plugin Marketplace | ✅ | なし |
| Cursor Blame | ✅(Enterprise) | なし |
| Plan mode | ✅(GUI + CLI) | ✅ |
| Ask mode | ✅ | なし(会話で代替) |
| Mission Control | ✅(複数エージェント俯瞰) | なし |
| Git Worktree分離 | ✅(自動) | 手動設定 |
| Hooks | ✅ | ✅ |
| CI/CDパイプライン統合 | 限定的 | ✅(GitHub Actions連携) |
| 非対話実行 | Cloud Agent | claude -p / --dangerously-skip-permissions |
| 料金 | $20/月〜 | 従量課金(API) |
ハンズオン 1: 両ツールのSKILL.mdを書き比べる
CursorとClaude CodeはどちらもSKILL.mdでエージェントの振る舞いをカスタマイズできます。同じ目的のSkillを両方で書いてみましょう。
架空の業務システム「KanriPro」のFirestoreコレクション設計をレビューするSkillを作ります。
Cursor版 SKILL.md
.cursor/skills/firestore-review/SKILL.md に作成します。
---
name: firestore-review
description: Firestoreコレクション設計をレビューする
---
## レビュー手順
1. `src/types/` 配下の型定義をすべて読み込む
2. `src/lib/firebase/` 配下のクエリロジックを確認
3. 以下の観点でレビューする:
- ドキュメントサイズが1MB制限に収まるか
- 不要な全件取得(getDocs without limit)がないか
- 複合インデックスが必要なクエリがないか
- セキュリティルールが適切か
## 出力フォーマット
| 重大度 | ファイル | 問題 | 修正案 |
|--------|---------|------|--------|
| 🔴 高 | パス:行番号 | 説明 | コード例 |
| 🟡 中 | パス:行番号 | 説明 | コード例 |
Cursorではスラッシュコマンドメニュー(/)からこのSkillを呼び出せます。
Claude Code版 SKILL.md
.claude/skills/firestore-review/SKILL.md に作成します。
# Firestoreレビュースキル
## 実行手順
1. `src/types/` 配下の型定義をすべて読み込む
2. `src/lib/firebase/` 配下のクエリロジックを確認
3. 以下の観点でレビューする:
- ドキュメントサイズが1MB制限に収まるか
- 不要な全件取得がないか
- 複合インデックスが必要なクエリがないか
- セキュリティルールが適切か
## 出力フォーマット
| 重大度 | ファイル | 問題 | 修正案 |
|--------|---------|------|--------|
| 🔴 高 | パス:行番号 | 説明 | コード例 |
| 🟡 中 | パス:行番号 | 説明 | コード例 |
Claude Codeでは /firestore-review と入力するか、エージェントが自動的にこのSkillを発見して適用します。
違いのポイント
| 観点 | Cursor | Claude Code |
|---|---|---|
| 配置場所 | .cursor/skills/ | .claude/skills/ |
| フロントマター | name, description あり | なし(ファイル名で識別) |
| 呼び出し方 | スラッシュコマンドメニュー | /skill-name またはエージェント自動発見 |
| サブエージェント定義 | SKILL.md内で設定可能 | 別ファイル(.claude/agents/)で定義 |
| MCP統合 | プラグインとしてバンドル | .claude/settings.json で設定 |
実務的な結論: SKILL.mdの記述内容自体はほぼ同じです。差が出るのは「配置場所」と「呼び出し方」だけなので、片方で書いたSkillをもう片方に移植するのは簡単です。
ハンズオン 2: 同じタスクを両ツールで実行してみる
架空プロジェクト「KanriPro」に新しい機能を追加するタスクを、CursorとClaude Codeそれぞれで実行してみます。
タスク: 経費申請画面(src/app/expense/page.tsx)を新規作成する
Cursor での実行
CursorではComposer(エージェントモード)を使います。
@workspace 経費申請画面を新規作成してください。
要件:
- src/app/expense/page.tsx にServer Componentとして作成
- Firestoreの expenses コレクションからデータを取得
- 申請者名、金額、カテゴリ、日付、ステータスの一覧表示
- ステータスでフィルタリング(申請中/承認済み/却下)
- 新規申請フォーム(Server Actionで送信)
- 型定義は src/types/expense.ts に配置
- Tailwind CSSでスタイリング
Cursorでは以下が自動的に行われます。
GUIの強み: 差分がエディタ上でインラインプレビューされるため、変更箇所を視覚的に確認してから適用できます。
Claude Code での実行
claude
経費申請画面を新規作成してください。
要件:
- src/app/expense/page.tsx にServer Componentとして作成
- Firestoreの expenses コレクションからデータを取得
- 申請者名、金額、カテゴリ、日付、ステータスの一覧表示
- ステータスでフィルタリング(申請中/承認済み/却下)
- 新規申請フォーム(Server Actionで送信)
- 型定義は src/types/expense.ts に配置
- Tailwind CSSでスタイリング
Claude Codeでは以下が行われます。
CLIの強み: yarn build や yarn lint をそのまま実行できるため、作成したコードの動作確認までワンストップで完了します。
実行結果の比較
| 観点 | Cursor | Claude Code |
|---|---|---|
| 変更確認 | GUIで差分プレビュー | ターミナルにdiff表示 |
| 試行錯誤 | 即座にRerunで再生成 | 会話の続きで修正指示 |
| ビルド確認 | ターミナルパネルで手動実行 | 自動で yarn build を実行可能 |
| 複数ファイル操作 | エディタタブで一覧 | ファイル単位で順次表示 |
| 所要時間 | 約2〜3分 | 約2〜3分 |
基本的なタスクでは所要時間に大差はありません。差が出るのは「ワークフロー全体」に組み込んだときです。
ハンズオン 3: CI/CDパイプラインとの統合
ここが両ツールの最大の違いです。自動化パイプラインとの親和性はClaude Codeが圧倒的に優位です。
Claude Code + GitHub Actions
GitHub Issueが作成されたら自動で実装を開始するワークフローを組めます。
# .github/workflows/auto-implement.yml
name: Auto Implement
on:
issues:
types: [opened, labeled]
jobs:
implement:
if: contains(github.event.issue.labels.*.name, 'auto-implement')
runs-on: ubuntu-latest
steps:
- uses: actions/checkout@v4
- run: npm install -g @anthropic-ai/claude-code
- run: |
claude -p "
GitHub Issue #${{ github.event.issue.number }} を実装してください。
タイトル: ${{ github.event.issue.title }}
本文: ${{ github.event.issue.body }}
" --allowedTools "Edit,Write,Bash"
Cursorでの自動化
Cursor 2.5ではCloud Agentへのハンドオフ機能がありますが、GitHub Actionsのようなヘッドレス環境での実行は想定されていません。CursorはあくまでGUIエディタであり、自動化パイプラインとの統合はClaude Codeの領域です。
場面別の使い分け戦略
ここまでの比較を踏まえて、実践的な使い分けガイドをまとめます。
Cursorが向いている場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| UIコンポーネントの開発 | プレビューを見ながら微調整できる |
| 初めてのコードベースの探索 | @workspace でコード全体を参照しやすい |
| 複数モデルの比較 | Composer、Claude、GPTを切り替えて使える |
| デザインからの実装 | 画像をドラッグ&ドロップしてUIを生成できる |
| チームでの開発 | Plugin MarketplaceでSkillを共有できる |
| コードの帰属管理 | Cursor Blameで AI/人間の区別が付く |
Claude Codeが向いている場面
| 場面 | 理由 |
|---|---|
| CI/CDパイプラインへの組み込み | CLIで非対話実行できる |
| 大量のチケットの自動実装 | GitHub Actions連携で完全自動化 |
| ターミナル中心のワークフロー | ssh先やDocker内でも使える |
| MCP連携の高度な活用 | MCPサーバーとの連携が柔軟 |
| コードレビューの自動化 | PRトリガーで自動レビュー |
| インフラ・バックエンド作業 | シェルコマンドとの統合が自然 |
「両方使う」実践パターン
最も生産性が高いのは場面に応じて両方を使うパターンです。
架空プロジェクト「KanriPro」での1週間のワークフロー例を示します。
| 曜日 | 作業内容 | ツール | 理由 |
|---|---|---|---|
| 月 | 経費申請画面のUI設計・実装 | Cursor | UIの微調整が多い |
| 火 | Firestoreクエリの最適化 | Claude Code | ターミナルでテスト実行しながら |
| 水 | 5件のバグ修正チケット消化 | Claude Code | GitHub Actions連携で自動実装 |
| 木 | 承認ワークフロー画面の実装 | Cursor | 複雑なUIのインタラクション |
| 金 | コードレビュー & テスト整備 | Claude Code | PR自動レビュー + テスト実行 |
Composer 1.5 vs Claude Opus 4.6
両ツールの「頭脳」であるモデルの違いも把握しておきましょう。
| 比較項目 | Cursor Composer 1.5 | Claude Opus 4.6 |
|---|---|---|
| 開発元 | Anysphere(Cursor社) | Anthropic |
| 特化領域 | コーディング特化 | 汎用 + コーディング |
| 応答速度 | 非常に高速(4x faster) | 標準 |
| コンテキスト窓 | 非公開 | 200Kトークン |
| ベンチマーク | Terminal-Bench 2.0でSonnet 4.5超え | 業界最高水準のエージェント性能 |
| 利用形態 | Cursor Pro内で利用 | API従量課金 |
実務的な印象: Composer 1.5は「短いターンの高速なコード生成」が得意で、Claude Opus 4.6は「長いコンテキストを保持した複雑なタスク」が得意です。Cursorで複雑なタスクをやるときはClaude Opus 4.6に切り替えるのがおすすめです。
Tips: 移行・併用のコツ
SKILL.mdの相互変換
CursorのSKILL.mdとClaude CodeのSKILL.mdは内容がほぼ同じなので、シンボリックリンクで共有することもできます。
# Cursor用のSkillディレクトリにClaude Code用を参照させる
ln -s .claude/skills/firestore-review/SKILL.md \
.cursor/skills/firestore-review/SKILL.md
CLAUDE.mdとCursor Rulesの統一
プロジェクトルールも共通化できます。
# プロジェクトルートに置いたCLAUDE.mdを
# Cursorの.cursorrules としても参照
ln -s CLAUDE.md .cursorrules
コスト管理の目安
| 月あたりの利用量 | Cursor Pro | Claude Code(API) |
|---|---|---|
| ライトユース(1日10プロンプト) | $20固定 | 約$15〜30 |
| ミドルユース(1日30プロンプト) | $20固定 | 約$50〜100 |
| ヘビーユース(1日100プロンプト+自動化) | $20 + 追加料金 | 約$200〜500 |
ライトユースならCursor Proの定額制が安心、ヘビーに自動化するならClaude CodeのAPI従量課金を許容する判断になります。
まとめ
Cursor 2.5とClaude Codeの使い分け戦略を整理します。
| 判断基準 | Cursor 2.5 | Claude Code |
|---|---|---|
| GUIで対話的に開発したい | ✅ 最適 | |
| CI/CDに組み込みたい | ✅ 最適 | |
| チームでSkillを共有したい | ✅ Plugin Marketplace | △ Git管理で共有 |
| 複数モデルを使い分けたい | ✅ Composer/Claude/GPT | △ Claudeのみ |
| AI生成コードを追跡したい | ✅ Cursor Blame | △ git logで代替 |
| 自動化パイプラインを構築したい | ✅ 最適 |
最終的な結論: 「どちらか一方」ではなく、対話的な開発はCursor、自動化はClaude Codeという使い分けが2026年のベストプラクティスです。
まずは自分のプロジェクトで「毎日のコーディング作業」と「自動化したい作業」を書き出して、それぞれにどちらのツールが適しているか考えてみてください。
参考リンク: