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AI時代のエンジニアについて vol.1——気がきく力

AIがコードを書く時代、エンジニアの価値は「気がきくかどうか」で決まります。技術力の先にある、本当に求められる能力について解説します。

2026年1月20日
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AI時代のエンジニアについて vol.1——気がきく力

はじめに

AIがコードを書く時代になりました。

Claude Code、GitHub Copilot、Cursor——これらのツールを使えば、誰でもそれなりのコードが書けます。コードを書けること自体の価値は、急速に下がっています。

では、これからのエンジニアに求められるものは何か?

それは**「気がきく力」**です。

「コードが書ける」だけでは差がつかない

以前のエンジニアの価値

コードが書ける = 価値がある

プログラミングは専門技術でした。書けるだけで希少価値がありました。「プログラミングができる」というだけで、就職も転職も有利でした。

今のエンジニアの価値

コードが書ける = 当たり前
AIを使えば誰でも書ける

AIの登場により、コードを書くこと自体は誰でもできるようになりました。プログラミング未経験の人でも、AIに指示すればそれなりのコードが生成されます。

これからのエンジニアの価値

気がきく = 価値がある
言われなくても必要なことに気づける

差がつくのは、技術力ではなく「気がきくかどうか」です。

「気がきく」とは何か

1. 言われる前に気づく

❌ 気がきかないエンジニア
「その仕様は聞いていません」
「言われた通りに作りました」

✅ 気がきくエンジニア
「この場合はどうなりますか?先に確認させてください」
「言われてはいませんが、これも必要だと思って対応しました」

仕様書に書かれていないことは、世の中にたくさんあります。言われたことだけをやるのではなく、「これは確認した方がいいのでは?」と気づけるかどうか。これが大きな差になります。

2. 相手の立場で考える

❌ 気がきかないエンジニア
「技術的には正しいです」
「仕様通りです」

✅ 気がきくエンジニア
「ユーザーはこう感じるかもしれません」
「運用する人のことを考えると、こうした方がいいと思います」

技術的に正しいことと、ユーザーにとって良いことは、必ずしも一致しません。「自分が正しい」ではなく、「相手にとってどうか」を考えられるエンジニアは重宝されます。

3. 一歩先を読む

❌ 気がきかないエンジニア
「今の要件は満たしています」
「将来のことは言われていません」

✅ 気がきくエンジニア
「将来こういう要望が出そうなので、拡張しやすい設計にしました」
「この機能を使うなら、あの機能も必要になりますよね」

今だけを見るのではなく、少し先の未来を想像する。「この後どうなるか」を考えられると、手戻りが減り、チーム全体の生産性が上がります。

気がきくエンジニアの具体例

例1:要件定義の場面

依頼内容: 「ユーザー一覧画面を作ってください」

気がきかないエンジニア

→ ユーザー一覧画面を作る
→ 完成

気がきくエンジニア

確認します:
- 「一覧は何件くらい想定ですか?1000件超えるなら
   ページネーションが必要ですね」
- 「検索やフィルタ機能は必要ですか?」
- 「CSVエクスポートは要りますか?運用で使いそうです」
- 「削除したユーザーも表示しますか?」
- 「誰がこの画面を使いますか?権限制御は必要ですか?」

言われていないことに気づき、先に確認する。

ただし、確認しすぎて手が止まるのも問題です。手戻りは全然OK。 AI時代は、やり直しが簡単だから。「とりあえず作ってみて、違ったら直す」でも大丈夫です。大事なのは、気づける目を持っておくこと。気づいたら確認する、気づかなかったら後から直す。どちらでもOKです。

例2:コードレビューの場面

レビュー依頼: 「ログイン機能のPRです。確認お願いします」

気がきかないエンジニア

→ コードを見る
→ 「LGTMです」

気がきくエンジニア

レビューコメント:
- 「ログイン失敗時のメッセージ、『認証に失敗しました』だと
   ユーザーが何を間違えたかわからないかも。
   『メールアドレスまたはパスワードが正しくありません』
   の方が親切では?」

- 「パスワード5回間違えたらロックする仕様でしたっけ?
   セキュリティ的にあった方がいいと思います」

- 「ログイン成功時のリダイレクト先、
   元々見ようとしていたページに戻せると
   ユーザー体験が良くなりますね」

技術的な正しさだけでなく、ユーザー体験や運用を考える。

例3:障害対応の場面

状況: 「本番でエラーが出ています」

気がきかないエンジニア

→ エラーを調査
→ 修正してデプロイ
→ 「直しました」

気がきくエンジニア

対応:
1. まず関係者に状況を共有
   「〇〇機能でエラーが発生しています。
    影響範囲は〇〇です。現在調査中、30分以内に続報します」

2. 修正してデプロイ

3. 事後対応
   「原因と再発防止策をまとめました」
   「同じようなコードが他にないか確認しました」
   「監視アラートを追加しました」

目の前の問題だけでなく、関係者への配慮と将来への備えを考える。

なぜ「気がきく力」が重要なのか

AIにできないこと

AIができること:
✅ コードを書く
✅ バグを見つける
✅ リファクタリングする
✅ テストを書く

AIができないこと:
❌ 「この仕様、ユーザーは混乱しそう」と気づく
❌ 「あの人、困ってそうだな」と察する
❌ 「これ、後で問題になりそう」と予見する
❌ 「言われてないけど、やっておいた方がいい」と判断する

気がきくことは、人間にしかできません。 だからこそ、AI時代に価値が上がるのです。

ビジネスへの影響

気がきかない開発気がきく開発
言われたことだけ作る必要なことを先に提案する
手戻りが多い手戻りが少ない
運用で問題が出る運用しやすい
ユーザーからクレームユーザーが満足
「もう一度やり直し」「さすが、わかってる」

気がきくエンジニアは、ビジネスの成功に直結します。

気がきく力を身につけるには

1. 「なぜ?」を常に考える

言われたこと:「この画面を作ってください」

考えること:
- なぜこの画面が必要なのか?
- 誰が使うのか?
- どういう状況で使うのか?
- 何を達成したいのか?

背景を理解すると、言われていないことに気づけます。

2. 相手の立場に立つ

コードを書くとき:
- 「このコード、半年後の自分が読んで理解できるか?」
- 「このエラーメッセージ、ユーザーは何をすればいいかわかるか?」
- 「この設計、他のエンジニアが拡張しやすいか?」

3. フィードバックを求める

定期的に確認:
- 「私の対応で、気がきかないと感じたことはありますか?」
- 「もっとこうしてほしい、ということはありますか?」

自分では気づけないことを、他者から学びます。

まとめ

AIがコードを書く時代、エンジニアの価値は**技術力ではなく「気がきく力」**で決まります。

  • 言われる前に気づく
  • 相手の立場で考える
  • 一歩先を読む

「この人がいると安心」と思われるエンジニアを目指しましょう。

それは、コードを書く速さではなく、どれだけ周りのことを考えられるかで決まります。


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