AI時代のエンジニアについて vol.3——常に楽できる方法を考える
「楽をする」は悪いことではありません。AIを活用して効率化を追求することが、これからのエンジニアに求められるマインドセットです。

はじめに
「楽をしたい」——これは悪いことではありません。
むしろ、常に楽できる方法を考えることが、AI時代のエンジニアに求められるマインドセットです。
優秀なエンジニアほど「楽」を追求しています。なぜなら、楽をすることで、本当に重要なことに時間を使えるからです。
「楽をする」=「効率化」
まず、「楽をする」の定義を明確にしましょう。
悪い「楽」と良い「楽」
❌ 悪い「楽」
- 手を抜く
- サボる
- 品質を下げる
- 必要なことをやらない
✅ 良い「楽」
- 自動化する
- AIに任せる
- 仕組み化する
- 無駄を省く
同じ成果を、より少ない労力で出す。これが正しい「楽」です。
品質を下げずに、労力を減らす。これは「怠け」ではなく「効率化」です。
AIに任せられることは任せる
AI時代の効率化の基本は、**「AIに任せられることはAIに任せる」**です。
人間がやるべきこと
- 何を作るか決める(要件定義)
- 品質を判断する(レビュー)
- ユーザーのことを考える(UX)
- ビジネス的な判断をする
- チームとコミュニケーションする
AIに任せること
- コードを書く
- テストを書く
- ドキュメントを書く
- リファクタリング
- バグの原因調査
- 定型的な作業
「自分でやらなくていいこと」を見極める。これが効率化の第一歩です。
具体例:コードを書く場面
以前:
1. 仕様を確認する
2. 設計を考える
3. コードを書く(1時間)
4. テストを書く(30分)
5. ドキュメントを書く(30分)
合計:2時間
今:
1. 仕様を確認する
2. 設計を考える
3. AIに「この仕様でコードを書いて」と指示(5分)
4. AIに「テストを書いて」と指示(5分)
5. AIに「ドキュメントを書いて」と指示(5分)
6. 結果をレビューして調整(15分)
合計:30分
同じ成果を1/4の時間で出せます。
繰り返し作業は自動化
「2回以上やることは自動化を検討する」——これを習慣にしましょう。
自動化すべき作業の例
毎回やっていること:
- デプロイ作業 → CI/CDで自動化
- テスト実行 → プッシュ時に自動実行
- コードフォーマット → 保存時に自動実行
- 定型的なコード → スニペット化
- 環境構築 → Dockerやスクリプト化
- 定期的なレポート → 自動生成
自動化の判断基準
自動化すべきか?
- 同じ作業を2回以上やる → 自動化を検討
- 手順が決まっている → 自動化できる
- 人間がやる必要がない → 自動化すべき
- ミスが起きやすい → 自動化すべき
自動化の具体例
例1:デプロイ作業
以前:
1. ローカルでビルド
2. テスト実行
3. サーバーにSSH接続
4. コードを更新
5. サービス再起動
6. 動作確認
(毎回30分、しかも緊張する)
今:
1. GitHubにプッシュ
2. 自動でテスト → ビルド → デプロイ
3. Slackに通知が届く
(プッシュするだけ、5分)
例2:コードレビュー前のチェック
以前:
- リントエラーがないか確認
- テストが通るか確認
- フォーマットを整える
(毎回10分)
今:
- pre-commitフックで自動チェック
- 問題があればコミットできない
- 問題なければ自動で整形
(意識しなくていい)
「頑張る」より「仕組み化」
人間の注意力には限界があります。「頑張る」では解決できない問題は、仕組みで解決しましょう。
頑張るエンジニア vs 仕組み化するエンジニア
❌ 頑張るエンジニア
「毎回気をつけてチェックします」
→ いつか必ず見落とす
「忘れないように注意します」
→ 忙しいときに忘れる
「ミスしないように頑張ります」
→ 人間はミスをする生き物
✅ 仕組み化するエンジニア
「チェックを自動化しました」
→ 見落としがなくなる
「忘れても大丈夫な仕組みにしました」
→ リマインダーや自動実行
「ミスしても検知できる仕組みにしました」
→ アラートや監視
「頑張る」は美徳ではありません。仕組みで解決できることは、仕組みで解決しましょう。
仕組み化の具体例
セキュリティチェック:
❌ 「セキュリティに注意してコードを書く」
✅ 「セキュリティスキャンを自動実行する」
本番環境の操作:
❌ 「間違えないように慎重に操作する」
✅ 「本番環境への直接操作を禁止し、CI/CD経由のみにする」
ドキュメント更新:
❌ 「コードを変更したらドキュメントも更新する」
✅ 「コードからドキュメントを自動生成する」
楽をするための投資
短期的には大変でも、長期的に楽になることには投資しましょう。
投資すべきこと
環境構築の自動化:
- 最初は面倒だが、一度作れば誰でも同じ環境が作れる
- 新メンバーのオンボーディングが楽になる
テストの整備:
- 最初は面倒だが、リファクタリングが楽になる
- バグの早期発見ができる
ドキュメントの整備:
- 最初は面倒だが、後から同じ質問に答えなくて済む
- 自分が忘れたときにも助かる
AIツールの習得:
- 最初は面倒だが、作業効率が何倍にもなる
- 一度覚えれば、ずっと使える
「今ちょっと大変」より「ずっと楽」を選ぶ。 これが長期的に見て正しい判断です。
楽できる方法を考える習慣
毎日の仕事の中で、常に「もっと楽にできないか?」を考える習慣をつけましょう。
毎日の問いかけ
□ この作業、もっと楽にできないか?
□ AIに任せられないか?
□ 自動化できないか?
□ そもそもやらなくていいのでは?
□ 他の人も同じ作業をしていないか?(共通化できないか?)
「やらない」という選択
最も効率的なのは、そもそもやらないことです。
やらなくていいこと:
- 誰も使わない機能の開発
- 過剰な品質追求
- 不要な会議への参加
- 形式だけのドキュメント
「本当に必要か?」を常に問いかけましょう。
楽をすることで生まれる価値
楽をすることは、より重要なことに時間を使うための手段です。
楽をすることで生まれる時間:
→ 新しい技術を学ぶ時間
→ より良い設計を考える時間
→ チームメンバーと話す時間
→ ユーザーのことを考える時間
→ 自分の健康を守る時間
楽をすることは、自分のためだけでなく、チームや会社のためでもあります。
まとめ
「楽をしたい」と思うことは、効率化の始まりです。
- 楽をする=手を抜くことではない
- AIに任せられることは任せる
- 繰り返し作業は自動化する
- 頑張るより仕組み化する
- 短期的な大変さより長期的な楽を選ぶ
常に「もっと楽にできないか?」を考えましょう。
それが、AI時代のエンジニアに求められるマインドセットです。
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